一匹少女が落ちるまで
2人の時間
───────
………
ブー……ブー
ブー……ブー…
駅で心と別れてからすぐ、
カバンの中にある携帯のバイブがかすかに体に伝わる。
今日はなんだか…。
よく携帯が鳴る日だな。
心の正直な気持ちが聞けて、心と本当の友達になって、爽やかな気持ちでそんなことを思いながら。
私はカバンから携帯を取り出した。
───────っ?!
取り出した携帯の画面を見て、私は思わず携帯を手から落としそうになる。
なんでこんなに…動揺するようになったんだろう。
「……理央」
止まらない携帯の細かい震えを感じながら、画面を見たまま彼の名前をそう呟いた。