一匹少女が落ちるまで
「珍しいんじゃない?紫月が2人のこと置いて外出かけるなんて」
私に促されてソファに座った理央が、そう言いって星花が出した麦茶を一口飲んだ。
「え…まぁ…」
まだ、ちゃんと理央の顔が見れない。
「誰かと会ってたの?」
っ?!
理央にそう言われて、さっきまで心と一緒にいたことを思い出した。
心と本当の友達になれて…
それで…
「あっ…」
「なに?」
思わず出てしまった声を手で塞ぐと、彼が聞き返してきた。
「な、なんでも…」
そうだった…。
理央、心のこと振ったんだっけ…。
なんで、振ったりなんか…
2人はすごくお似合いなのに。
自分でそう思いながらまた胸が痛む。