一匹少女が落ちるまで
ガチャ──────
「お〜!紫月おかえりぃ〜!」
家に着き玄関を開けると、そこにはいつものように制服をこれでもかと着崩した女の子が私に抱きついてきた。
オレンジブラウンのボブヘアは毛先だけ少しだけ遊ばせていて、その髪から甘いいい匂いがフワッと香る。
「園子…苦しい…」
「あーごめんごめんっ」
彼女はそう言って、抱擁を解いた。
大塚園子(オオツカ ソノコ)。
唯一の友達で、幼なじみ。