一匹少女が落ちるまで
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「悪いな、紫月。布団まで用意してもらって」
結局夕飯後、俺はなぜか紫月の部屋で泊まる事になってしまった。
俺の目線から少し高いところにあるベッドに横になってる紫月に、床に敷かれた布団から声をかける。
「いえ、明日の朝も理央がいないと起きないなんて2人がいいだすから…逆に無理言ってごめんなさい」
「全然」
『嬉しいよ』そんな言葉を飲み込む。
「紫月」
「何ですか?」
薄暗くなった部屋で、静かに話す。
今は紫月の部屋で、周りは真っ暗。
そして、2人きり。
紫月に変なことをしないように必死に頭で違うことを考える。