一匹少女が落ちるまで
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翌日、早起きの双子に起こされて俺は早めに紫月のうちを出ようと玄関に向かった。
「理央、朝ごはん…」
顔を洗ったばかりでまだパジャマ姿の紫月にそう声をかけられて思わず「新婚夫婦みたいだな」なんて思ってしまった。
「いや、大丈夫。制服に着替えないといけないし、一旦うちに帰るよ。色々ありがとう」
俺がそう言うとペタペタという足音がこちらに近づいてきたかと思うと、小さな2人がこちらを残念そうに見上げていた。
「りおかえるのー?」
「ご飯一緒に食べようよ〜」
朝の6時半。
それでも小さな個体は朝から元気だ。
「ごめんね。俺、これから学校だから着替えなくちゃいけなくて…」
「ぶーーー」
「わがまま言わないの。あんたたちだってこれから幼稚園でしょー?」
そう双子を注意したのは、いつもは2つ結ばれている髪を今はまだ下ろしている次女の星花ちゃん。