一匹少女が落ちるまで


「また一緒に遊べるからさ。星花ちゃんも色々とありがとう」


俺は双子たちの頭を撫でてから、星花ちゃんに礼を言う。


「私は何も…」


星花ちゃんは少し照れたようにそう言った。



「じゃあ、また学校で」


「……うん」


最後に紫月の目を見てそう言うと、彼女は久しぶりに俺の目をまっすぐ見てからすぐに目をそらした。



─────ガチャ



玄関のドアを開けて、俺は自分の家へと向かった。




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