一匹少女が落ちるまで
園子は「なにそれ、ひどーい」と言いながら、肘で私の腕をツンツンとした。
「…はいはい」
お互い高校に通いだしてからと言うもの、園子は学校が終わるとすぐに私の家に上がり込むようになった。
本人曰く『雨宮家のベビーシッターは私に任せろ』だそうで。
ベビーシッターというのは…。
「「しーねーちゃんおかえりー!」」
リビングの方から、ドタバタと足音が聞こえたかと思うと、小さい物体が2つ、私の足に抱きついてきて顔をこちらに上げてから満面の笑みでそう言った。