一匹少女が落ちるまで
─────キーンコーンカーンコーン
「理央…あの…チャイム」
「どうなの…」
答えたくなくて、わざと話しを晒したのに、理央は聞くのをやめない。
「どうって……言われても」
─────ガチャ
「あれ〜!鍵開いてるし!」
──────っ?!
「あいつら、また鍵かけるの忘れてそのまま持って帰ったな〜!」
図書の先生がそう言って入って来る。
どうしよう。
黙って入ったのがバレてしまう。
「紫月っ」
理央は小さく私の名前を呼ぶと、私の腕を捕まえて、キャレルデスクの下に潜りだした。
「え、理央…」
「バレたら俺たち、図書室出入り禁止だよ」
そんな…。
そんなのごめんだ。
「早く」
私は、理央にそう促されて、理央と一緒にデスクの下に身を隠した。