一匹少女が落ちるまで

─────キーンコーンカーンコーン



「理央…あの…チャイム」


「どうなの…」


答えたくなくて、わざと話しを晒したのに、理央は聞くのをやめない。



「どうって……言われても」



─────ガチャ


「あれ〜!鍵開いてるし!」



──────っ?!


「あいつら、また鍵かけるの忘れてそのまま持って帰ったな〜!」



図書の先生がそう言って入って来る。



どうしよう。


黙って入ったのがバレてしまう。



「紫月っ」


理央は小さく私の名前を呼ぶと、私の腕を捕まえて、キャレルデスクの下に潜りだした。



「え、理央…」


「バレたら俺たち、図書室出入り禁止だよ」


そんな…。


そんなのごめんだ。


「早く」


私は、理央にそう促されて、理央と一緒にデスクの下に身を隠した。



< 355 / 487 >

この作品をシェア

pagetop