一匹少女が落ちるまで
「なんだ…?」
「すごい音がしたけど…」
美術室からも何人か美術クラスの人たちが出てくる。
どいつもこいつもうるさい。
「心…」
「新山さん!」
「新山!」
でた……。
仲間ごっこの奴ら。
3人は教室を飛び出すと、濡れた心に駆け寄る。
気持ち悪い。
3人は私のことを睨むどころか、可哀想な目で私のことを見ていた。
なんで?
なんで私がこんな目で見られなきゃいけないのよ。
本当の自分を隠して、みんなに嘘がバレそうで、今こうしてびしょ濡れになった心の方が、絶対にそういう目で見られるべきなのに。
「城ヶ崎さん…あれはやりすぎだよね」
「雨宮さんはわかるけど、なんで心にまで?」
教室から出てきて、私たちを見てる生徒たちもそんなことを言い出した。
「…意味わかんない」
私は小さくそう吐いた。