一匹少女が落ちるまで


「……うぅ…」


泣きながら私がたどり着いたのは


『図書室』

と書かれたドアの前。



シーンとそこだけ静かで、なんだ少し気持ちが落ち着いた。



ここに、あの3人がきていたことは随分前から知っていた。


赤羽くんや心が来る前から。



図書室に入って直接見たことはないけれど。


楽しそうにここに向かう3人のことが正直羨ましかった。



『本当の友達』

彼らはそんな集まりに見えた。



「入らないの?」


「えっ…」


後ろから声が聞こえ振り返ると、そこには一度見た時とは別人で優しく笑った彼がいた。



「風間先輩…」


一度目は、私が雨宮を呼び出した時ですごく怒った顔をしていたから、一瞬誰かわからなかった。




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