一匹少女が落ちるまで
「城ヶ崎さんのお父さん、前に見せてくれたんだ。城ヶ崎さんの小さい頃の写真」
─────っ?!
「何それ…」
パパが私の写真を?
「前に生徒会の集まりに顔を出した時。あ、絶対に言うなって言われてるから内緒ね、これ。あの時の城ヶ崎さんのお父さん、すげー嬉しそうだったな…」
「…嘘よ」
「ん?」
パパが私の話をして嬉しそうなんて。
そんなこと、嘘に決まってる。
「パパは…私の話なんてしない。私に興味なんてないもの」
ママが亡くなってから、ずっとそうだった。
パパはいつも仕事ばかりで、私と遊んでくれたことなんてない。
私が家でひとりぼっちでも私のことなんてこれっぽっちも心配なんかしない。