一匹少女が落ちるまで
──────ガチャ
「失礼します。お待たせしまし……」
「大雅くんみつけた」
──────っ!!
マイクから俺の名前を呼ばれた気がして、驚きながらマイクを持った人を見た。
「星花っ?!」
「ピンポーン」
そこには、セーラー服姿でこちらを見つめる、雨宮の妹、星花がいた。
「何してんの」
「え、なに。中学生立ち入り禁止?」
「いや、禁止ではないけど…」
「じゃあいいじゃない。ストレス発散しに」
ストレス発散…。
やっぱりまだ、好きなやつのことで悩んでいるのか?
「あと、報告」
「報告?」
「うんっ」
そう返事した星花は、テーブルに置いたばかりの明太子パスタにフォークを指してパスタを巻きつけた。