一匹少女が落ちるまで


星花は今日、変わろうとしてるんだ。


それも、俺のおかげなんて言いやがった。


彼女の後押しをした俺は、このままでいいのか?


本当、星花の言う通りだと思う。


絢にちゃんと思いを伝えないなら、それはその時の気持ちをなかったことにしようとしてることで。


あの頃楽しかったのは事実だし、


絢のおかげで桐ヶ丘を受験しようとも思えた。



もし受験していなかったら…。


俺は今、桜庭や雨宮、新山、そして星花とも会えなかっただろう。



そう思うと。


勉強を見てくれた絢にやっぱり感謝で。



「…俺もしようかな」



そう呟いてから、バックヤードに帰った。



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