一匹少女が落ちるまで
「覚えてますよ。でも、間違えて誰かを傷つけてしまうのは私だって他の皆さんだって同じです。だから、許してお互い前に進む方が気持ちがいいじゃないですか」
「…私も!そう思うっ」
昨日、城ヶ崎に制服を汚された新山もそう言った。
「心……ありが…」
「城ヶ崎さん、なんなの?」
きつい言い方をする声が、城ヶ崎の声を遮った。
そこには、以前城ヶ崎のグループだった数人の女子たちが城ヶ崎を睨みつけていた。
「散々私たちに雨宮さんいじめるの手伝わせたり、お嬢様のお遊び教えておいて、今更雨宮さんたちとつるむって言うの?」
「…え…それは…」
「いくら父親が偉い社長だからって、そう言うの人としてどうなの?私たちには謝罪はないわけ?」
「…みんなにだって、振り回して本当に悪かったって思って…」
「だったらまず、雨宮さんよりも先に私たちに謝んない?」
「だよね〜」
「それとも…」
いつも城ヶ崎の隣を歩いていた女子が、城ヶ崎に歩み寄った。
「私たちが城ヶ崎さんのあの秘密、ず〜っと黙ってあげるなんて思ってるの?」
「えっ…」
青ざめた城ヶ崎と、クスクス笑う数人の女子たち。