一匹少女が落ちるまで
【side 大雅】


あの城ヶ崎でさえ、変わろうとした。


全く、本当雨宮には感心してしまう。


雨宮本人にとってなんともない言葉なんだろうけど。


俺はもっと真っ当に生きなきゃって身を引き締める思いになった。



午後8時。


夕飯を家族と絢と食べ終わり部屋で色々と考える。



星花も…あの日ちゃんと言ったんだよな…。



なら…。



─────ガチャ



「大雅〜!ケーキ食べる〜?」



突然部屋のドアが開くと、そこには顔だけちょこんと出した絢がいた。



全く…。


なんてタイミングのいい時に出て来やがるんだよ。


俺が絢を恋愛対象として見てようが見てまいが、ちゃんとノックくらいしろと思う。



「ケーキ?」


「うん。2つしかないの。おばさんたちはいらないって。司は甘いもの食べないしさ」






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