一匹少女が落ちるまで


「絢はさ、俺のこと少しも男として見てくれなかった?」


自分の部屋にズカズカと入ってこれるってことは、警戒されていないってことなのに。

異性として見られてないって意味なのに。


俺はこれ以上、絢になんて言って欲しいんだろうか。




「大雅は…」


「…うん」


「かっこいいよ。だけど…」


「だけど?」


「…でも、私の中で司が1番かっこよくて、誰とも比べられない。それが血の繋がってた弟でも」


「……っ」



ひでぇ、、な、絢。


「さすがに凹むんだけど」


彼氏の兄貴と比べられたって…どう考えても何をしても勝てないじゃん。


「だって、潔く振られたくて告白したんでしょ…」


「…いや、まぁ、そうだけど」



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