一匹少女が落ちるまで
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「え、なんかめっちゃ人いるんだけど…」
「それ思った」
キッチンで料理している星花と園子がボソッとそう言うのが聞こえた。
私たち3人の先には、リビングで双子たちと遊んでる赤羽くんと理央。
そしてダイニングテーブルでおしゃべりする心と玲奈。
それから…リビングのソファーでぼーっと座ってる、理央のお兄さん、理汰(りた)さん。
家は今までにないほどの人で溢れていた。
「紫月、あんたいつの間にこんなに友達作って…」
「それにめっちゃお姉ちゃんと正反対だよ。玲奈さんも、心さんも…」
「…いいじゃない。別に」
星花にそう言い返す。
私だってそんなこと十分分かっている。
でも、それは今に始まったことじゃないもの。
初めは、理央も私とは正反対だったから。