一匹少女が落ちるまで
【side 紫月】
────
「…2人とも、わざわざ2人のために来てくれてありがとう」
後部座席に乗った私と園子に、運転席にいる理央のお母さんがそう言った。
あの後、もう夜遅いからと理央のお母さんが私たちを車で送ってくれると言ってくれた。
「理央のお母さんは…理央がバスケを辞めたこと、反対ですか?」
お母さんの背中に向かってそう聞いてみる。
「…反対も何も。理央がバスケを辞めたことは知ってたわ」
「え…」
「本人の口からは今日初めて聞いたけど。親って、すぐにわかるもんよ。…反対じゃない。むしろ、理央が初めて反抗してくれてちょっと安心してるの」
「そうなんですか…」
「でも、母親なのにあの子達のために何もしてあげられなくて…」
あんな風に怒るお父さんに、お母さんも反論したりできないんだ。
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「…2人とも、わざわざ2人のために来てくれてありがとう」
後部座席に乗った私と園子に、運転席にいる理央のお母さんがそう言った。
あの後、もう夜遅いからと理央のお母さんが私たちを車で送ってくれると言ってくれた。
「理央のお母さんは…理央がバスケを辞めたこと、反対ですか?」
お母さんの背中に向かってそう聞いてみる。
「…反対も何も。理央がバスケを辞めたことは知ってたわ」
「え…」
「本人の口からは今日初めて聞いたけど。親って、すぐにわかるもんよ。…反対じゃない。むしろ、理央が初めて反抗してくれてちょっと安心してるの」
「そうなんですか…」
「でも、母親なのにあの子達のために何もしてあげられなくて…」
あんな風に怒るお父さんに、お母さんも反論したりできないんだ。