一匹少女が落ちるまで


「あんなところ見せちゃって本当にごめんなさい」


「…理央のお母さんは悪くないじゃないですか。理央だって、理汰だって…」


園子のセリフに私もうんうんと頷く。


「…ありがとう。あなた達みたいな友達がいて、2人は幸せものよ」


「……」

「……」


父親が味方でいてくれようとしないのに…。

どうして幸せ者だなんて…。










家に着いたのは、夜の10時過ぎで



家の駐車場にはお母さんとお父さんの車が止まっていた。


仕事から帰ってきたんだ。



私と園子が車から降りると、家の玄関がガチャと開いた。



「送ってくださりありがとうございました」


お母さんがこちらにやってきて、車から降りてきた理央のお母さんにそういった。


理央のお母さんは申し訳なさそうに黙って頭を下げただけ。


そして、またすぐに車に乗り込んでから車を走らせた。




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