一匹少女が落ちるまで
卒業式
【side 紫月】

一年後────────


「おめでとー!」

「おめでとございま〜す!」


あちこちからたくさんのお祝いの声が聞こえ、紙吹雪やシャボン玉が飛ぶ。



3月1日。



私たちは無事、卒業式を迎えることができた。



「…紫月〜〜っっ!!!」



後ろから、私を呼ぶ声が聞こえたかと思うと、ズシッと体重をかけられた。



「…玲奈、苦しい」


泣きながら私に抱きつく玲奈。


「なんでそんなに泣けんだよ。大学一緒だろお前ら」


赤羽くんが呆れたように後ろからそういった。


3年生になって同じクラスになれた玲奈と赤羽くんと私。



こんな感じで毎日2人の会話を聞いては楽しい日々を過ごていた。





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