一匹少女が落ちるまで
「…2人もうまくいってるみたい」
「…そっか、よかった。あ、赤羽と星花ちゃんは?」
「…え?」
「…えって…もしかして知らないの?」
理央が何をいってるのかわからなくてぽかんとしてしまう。
「…2人、付き合ってるよ」
「……っ?!?!」
何を言ってるの?!
星花と赤羽くんが付き合ってる?!
「いや、そこは姉貴なんだから1番に気付いてよ〜」
「でも、でも星花、そんなこと一言も」
「言えるわけないじゃん。赤羽だってダチの妹と付き合ってるとか星花ちゃんだって姉貴の同級生と付き合ってるとかさ〜」
そうなんだ…。
なんだか、すごく複雑な気分だ。
「…それよりさ」
「……っ!」
理央は突然、くるっとこちらを向くと、私の手を捕まえた。
理央の目がしっかり私を捉えて離さないので、ドキドキしだす。