一匹少女が落ちるまで


「…チューしていい?」


「……っ!」



理央の突然の要望に、心は追いついていなくてびっくりしてしまう。



今思うと、空港で理央を送り出した自分を尊敬する。


『いいよ』

なんて、どうしてあんなこと言えたんだろうか。



「…ねぇ、紫月、いい?」


「…だ、ダメです」


「…へっ!え、ちょ、なんで?!」


私の返事に理央はびっくりしてそういう。



いきなり現れて、キスしましょうなんて。


私にはレベルが高すぎる。


あの頃は、何度か理央としていたし…


「…え、俺たちって両想いだよね?」


「……多分」


「多分?!」


私、理央とどうやって接していたんだろう。

好きな人とどうやって話したらいいんだろう。


久しぶりの理央の登場に急にわからなくなって恥ずかしくなってしまう。




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