一匹少女が落ちるまで
大人の彼に落ちるまで
【side 心】


高校2年生の11月。


学園祭の準備でみんながワイワイとしているそんな時期だった。


先生とちゃんと話したのは。


放課後、ゴミ出しを終えて教室にカバンを取りに戻った時。



「お、お疲れ!ゴミ出しか?」


もう誰もいなくなってたと思ってた教室に、担任である伊達先生が元気な声でそう言った。


「あ、お疲れ様です。はい。先生は?」


「最終点検。実行委員の奴らが一応やってはいるんだけど、念入りにね」


そういいながら、教室を見渡してチェックシートにチェックをつけていく先生。


私はその横で、完璧なお化け屋敷の内装になった教室を見渡す。


「成功しますかね?」


「えーなにそれ。するに決まってるじゃん。先生のアイディアだよ?」


そう。

私たちの出し物は『逆転 お化け屋敷』


先生のアイディアなんだけど、教室は真っ暗で怖い雰囲気を醸し出してるけど、出てくるお化けが突然漫才を始めたり、コントを始めるという、怖がらせる気一切ないお化け屋敷なのだ。




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