一匹少女が落ちるまで
「…あんまり聞いたことないアイディアでいいとは思いますけど…笑ってくれるか心配です」
「台本も完璧なの。これでも先生、お笑い芸人になるのが夢だったんだから」
先生は少しドヤ顔でそう言ったけど、
あぁなんかわかるな、と思って「へー」とだけ答えた。
「新山、よかったな。すごく楽しそうで」
「…え?」
「いや、雨宮と城ヶ崎と3人すごくいい雰囲気だなと思って。クラスの雰囲気もすごくよくなったよ。桜庭がいないのはちょっと寂しいけど」
先生は「ちょっと」なんて言ったけど、本当はすごく寂しいんじゃないかとおもう。
よく桜庭くんに絡んでいたし、バスケ部の顧問だし。