一匹少女が落ちるまで
「…え、あ、えっと…はいっ、作りますっ」
私が慌てて返事をすると、先生は
「はい。とてもいいお返事で」
と言って笑った。
先生があんまりにもすぐ笑うから、なんだか私も嬉しくなって。
「…先生、」
私は先生を呼んだ。
「ん?」
「学園祭、絶対成功させますっ」
「うん。よろしく頼んだぞ!」
先生はそういいながら、私の頭に置かれたままの手で、今度は雑に私の髪をくしゃっとした。
その瞬間、
私は完全に、
無邪気に笑う大人の彼に
恋をしたんだ。
──END──