一匹少女が落ちるまで
「え、俺がせっかく話しかけてるのにそんな扱い?そんなだから雨宮さん、クラスでひとりぼっちなんだよ?」
桜庭くんは横に座る私に前のめりでそう言う。
桜庭くんの言ってることが理解できない。
『せっかく話しかけてる』
『だから雨宮さん、クラスでひとりぼっち』
これだから学校も、クラスの人たちも嫌いなんだ。
カチャッ
「…別に、話しかけて欲しいと頼んだ覚えはありませんし、1人でいることに苦痛を感じたりもしていません。ここは図書室です。静かにしててもらえますか?」