一匹少女が落ちるまで
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……
「…理央」
放課後、最近できた居場所に座っていると隣から俺のことを呼ぶ声が聞こえる。
低くて少し小さい彼女の声。
あぁ、心地いい。
「何?」
「重いです。すごく」
「んー」
俺はそう返事をしたが、彼女の肩に置いた自分の頭をおこそうという気はない。
今日はなんだか、すごく疲れたんだ。
人気者の自分を演じるのも疲れるけど、人と違うことをするのも疲れる。