一匹少女が落ちるまで



「ここに座ることは許可しましたけど、理央の肩置き係になるとは一言も言っていませんが」


「いいじゃん。今日はいつもと違うことしてちょっと疲れたの」


そう言いながら、紫月の髪の毛からフワッと香るシャンプーのにおいが、また彼女には似合わない女の子らしいいい香りで。


それが一層俺の心を落ち着かせてくれる。



「…紫月のせいだし」


「はい?」


「紫月が、嘘つくなら死ねとかいうから」


「そんな言い方してないです」


「とにかく…今日だけだから」



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