一匹少女が落ちるまで
「どうして?」
今日の紫月はよく話してくれる。
今日、紫月のことを助けたから、少し心を許してくれたのかななんて。
「…初めてここに来た時、紫月の中で俺は何点だった?」
「…え、あの、私が質問…」
「…いいから」
「…0です。いや、マイナス1です」
「フッ」
あまりに正直な彼女のセリフに思わず吹いてしまう。それも、思った通りの答えだったから。
「だからだよ。初めから俺のことを0かそれ以下で見てる紫月だったから、気取らなくて良い。それが紫月の隣が落ち着く理由かな」