一匹少女が落ちるまで
距離
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「俺が、赤羽の勉強を?」
紫月との妙な放課後生活が始まって一週間が経とうとしていた金曜日のお昼休み。
担任の伊達に職員室に呼び出されて、伊達の口から出たセリフに俺は思わず聞き返す。
「あぁ。ほら、あいつ1年から授業中寝てばっかじゃん。学校もよく休むし。2年の最初くらいはテスト受けて欲しくてよ」
伊達はすました顔でそう話す。
「…いや、なんで俺が…」