一匹少女が落ちるまで
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────バンッ!!
「あ、ごっめ〜ん!見えなかった〜〜」
その甲高い声とともに、お尻にジンと痛みが広がる。
移動教室に向かう廊下。
城ヶ崎さんが勢いよくぶつかってきて、私は廊下に突き飛ばされた。
毎日行われる嫌がらせは、止むどころかどんどん激しさを増している。
私、何したんだろう。
心当たりなんて無さすぎる。
城ヶ崎さんと同じクラスになったのは今年が初めてで、まさか高校2年生になって、こんな低レベルな嫌がらせに毎日あうことになるなんて思わなかった。
私は、ぶつけたお尻を軽くさすってから立ち上がる。