一匹少女が落ちるまで
────────
………
体育の授業が終わってから2クラスの男女が次々とコートから出て更衣室で着替えを終えた順に教室へと向かう。
体育館と校舎をつなぐ渡り廊下を歩いていると、見覚えのある後ろ姿が少し離れた花壇の方に見えた。
俺は、グループのやつらから離れて、その背中目掛けて歩く。
てっきり帰ったかと思ったら…。
まだいたんだ。
「赤羽!」
俺がその背中に向かってそう声をかけると、少しビクッとしてから渋々こちらに顔を向けた。