一匹少女が落ちるまで


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体育の授業が終わってから2クラスの男女が次々とコートから出て更衣室で着替えを終えた順に教室へと向かう。



体育館と校舎をつなぐ渡り廊下を歩いていると、見覚えのある後ろ姿が少し離れた花壇の方に見えた。



俺は、グループのやつらから離れて、その背中目掛けて歩く。



てっきり帰ったかと思ったら…。



まだいたんだ。



「赤羽!」



俺がその背中に向かってそう声をかけると、少しビクッとしてから渋々こちらに顔を向けた。



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