島…君をレンタルしたいカナ
(もういい。今日はもう帰って、また出直してこよう)
何だかいろんな意味で疲れきってしまった。
持ち合わせてもないのに変な波動を送ったせいかもしれない。
カウンターの脇を通り抜けて、島さんに何も言わずに帰ろうとした。
きっとお客さんと話し中で、私のことなんて見てないと思った。
「……待って!帰るの?」
声と同時に左手首が握られた。
体は半分くらいカウンターの外に出てる状態で、ドキッとして振り返れば、島さんが真面目な顔で見てる。
さっきまで話してたお客さんはもういなくて、私は彼のことを少し見てから目を伏せた。
「忙しそうだからまた来ます。明日はちょっとムリだけど、明後日も遅番だから……明々後日になると思いますけど」
それじゃ…と言いながら前を向いて歩き出そうとした。
なのに、ぎゅっと握ってくる手の感触に驚き、何だ?と思い振り向いた。
「帰らないで居なよ。どうせもうすぐ閉店の時間だし」
彼の反対の手が壁の上にある時計を指差す。
それを見てると確かに閉店まで三十分もない。
「送って行くから。話もあるし」
「話?」
「うん」
「ヨーコ」のこと?
それとも元カノのこと?
被害妄想が拡大し過ぎて、すんなり「了解」と言えずに黙り込んだ。
だけど、それを彼は「いいよね?」と肯定として受け取り、向こうで待ってて…とカーテンの奥を指差した。
何だかいろんな意味で疲れきってしまった。
持ち合わせてもないのに変な波動を送ったせいかもしれない。
カウンターの脇を通り抜けて、島さんに何も言わずに帰ろうとした。
きっとお客さんと話し中で、私のことなんて見てないと思った。
「……待って!帰るの?」
声と同時に左手首が握られた。
体は半分くらいカウンターの外に出てる状態で、ドキッとして振り返れば、島さんが真面目な顔で見てる。
さっきまで話してたお客さんはもういなくて、私は彼のことを少し見てから目を伏せた。
「忙しそうだからまた来ます。明日はちょっとムリだけど、明後日も遅番だから……明々後日になると思いますけど」
それじゃ…と言いながら前を向いて歩き出そうとした。
なのに、ぎゅっと握ってくる手の感触に驚き、何だ?と思い振り向いた。
「帰らないで居なよ。どうせもうすぐ閉店の時間だし」
彼の反対の手が壁の上にある時計を指差す。
それを見てると確かに閉店まで三十分もない。
「送って行くから。話もあるし」
「話?」
「うん」
「ヨーコ」のこと?
それとも元カノのこと?
被害妄想が拡大し過ぎて、すんなり「了解」と言えずに黙り込んだ。
だけど、それを彼は「いいよね?」と肯定として受け取り、向こうで待ってて…とカーテンの奥を指差した。