島…君をレンタルしたいカナ
メガネ店長
仕事帰りに急な雨降りに遭い、避難した場所があのペットショップの軒先だった。
よくよくご縁があるもんだ…と思いながら、コートに付いた雨粒をハンドタオルで払い落としているとーー
「ありがとうございましたー!」
押し開けられたドアの向こう側から元気のいい声が響いた。
ハッとして振り向き目を向けると、出てきたのは小さな女の子とお母さんらしき女性。
女の子の胸にはピンク色の小さなプラケースが抱きしめられ、その姿を微笑ましそうにお母さんが見守ってる。
「大事に飼うのよ」
「うんっ!ぜったい大事にするっ!」
ウキウキとしながら女の子はお母さんが広げた傘の中に潜り込んだ。
楽しそうに会話して歩く二人の姿を見てたのは、自分だけだとばかり思ってたけど……。
「ふっ…」
小さな吐息が聞こえて振り向いた。
そこにはあの黒縁メガネの人が立っている。
ドキッとして声もなく見つめてしまった。
私の存在など気にすることもなく、彼は出て行った二人を眺めてる。
「店長ー、そんなに気にしなくても大丈夫ですよー。あの子きっと、ハムスターを大事に飼ってくれますってー」
店員だと思われる女子の声が聞こえ、店長と呼ばれた彼は「わかってる」と振り向きもせずに答える。
それでも何処か心配らしく、いつまでも親子連れの去った方を見守っていた。
「クシュ!」
よくよくご縁があるもんだ…と思いながら、コートに付いた雨粒をハンドタオルで払い落としているとーー
「ありがとうございましたー!」
押し開けられたドアの向こう側から元気のいい声が響いた。
ハッとして振り向き目を向けると、出てきたのは小さな女の子とお母さんらしき女性。
女の子の胸にはピンク色の小さなプラケースが抱きしめられ、その姿を微笑ましそうにお母さんが見守ってる。
「大事に飼うのよ」
「うんっ!ぜったい大事にするっ!」
ウキウキとしながら女の子はお母さんが広げた傘の中に潜り込んだ。
楽しそうに会話して歩く二人の姿を見てたのは、自分だけだとばかり思ってたけど……。
「ふっ…」
小さな吐息が聞こえて振り向いた。
そこにはあの黒縁メガネの人が立っている。
ドキッとして声もなく見つめてしまった。
私の存在など気にすることもなく、彼は出て行った二人を眺めてる。
「店長ー、そんなに気にしなくても大丈夫ですよー。あの子きっと、ハムスターを大事に飼ってくれますってー」
店員だと思われる女子の声が聞こえ、店長と呼ばれた彼は「わかってる」と振り向きもせずに答える。
それでも何処か心配らしく、いつまでも親子連れの去った方を見守っていた。
「クシュ!」