島…君をレンタルしたいカナ
最後は笑ってそう言ってくれて、仕事を辞めてもまた会おうねと約束してからここへ来た。

島さんには、直接この採用通知を見せたい。
励ましてくれてありがとう、とお礼も言いたかった。
おかげでやっと仕事にありつけました、と笑って話そうと思ってたのにーー。



「あーあ、何処に行ったのやら」


早く帰って来ないかなぁ。
今なら最後までシてもいいのに♡



「きゃーっ!」


バカなカナ。
そういうことを考えてないで、もっと真剣にお礼を言うようにしないと。

私のやりたい事見つけてくれたの島さんだもん。
面接の席であれだけ話が弾んだから、きっと採用されたんだもん。

この仕事は島さんが見つけてくれたようなもの。
彼に会わなかったら、仕事には有り付けなかったハズだ。



「早く帰って来て〜〜♡」


きゅっ…と採用通知書の入った封筒を抱き締めた。
幸せな気持ちのまま畳に転がって目を瞑った。


(今、彼が帰って来たら何て言おうかなぁ…)


ウキウキしながら考えてるとーー



「大変っ!!カナさん!!」


血相変えてカンナさんが飛び込んでくる。
驚いて起き上がったら彼女の口から出た言葉が……


「お兄ちゃんが刺されて病院へ運ばれたって!出血量が多いから輸血するかもしれないって…!」


「ええっ!?」


刺された…って何!?
輸血ってどうして!?


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