島…君をレンタルしたいカナ
「明日?」と顔を上げると、唇の端を少し上げながら「ん…」と短い返事。


「実は、店に大学時代のゼミ仲間が集まるんだ。賑やかしい奴らばかりなんだけど、カナも来る?」


騒がしくなると思う…と困ったように話す。
これは私には店に来ないで欲しいと言ってるの?それとも、行けば島さんの仲間達に私を紹介してくれるって意味…?


「行ってもいいの?」


カレシの友人に紹介されるなんて、本気で私のことを思ってないと出来ないことだ。


「来てもいいけど、本当はあまり来て欲しくない。カナに手出されたら嫌だから」


そんな奴らではないけど…と弱り気味。
カンナさんの言う通り、相当に嫉妬深いのかもしれない。


「私、島さんの仲間に会ってみたいな。どんな人達か見てみたい」


お店に集まるくらい、今も仲がいいってことだよね。
私にも学生時代の友人はいるけど、顔を合わせることなんて滅多としないから羨ましい。


「行ってもいい?」


目を見て聞いたら、流石にダメとは言われなかった。

それじゃあ明日…と手を振り、彼の車を降りた。
クラクションを鳴らして去って行く後ろ姿を見送る。


彼の仲間に会えるなんて楽しみ。
どんな人達と会えるんだろうか。


(俺の彼女…なんて、紹介されるのかな)


きゃー♡と浮かれて家の中に入った。

その夜はなかなか寝付けず、朝方になってやっと眠ったーーーー。



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