島…君をレンタルしたいカナ
まるで子供の帰宅時間と同じだ…と思いながら電車に揺られ、グッタリとしたまま家のドアを開けた。
「……あれ?姉ちゃんデートだったんじゃないのか?」
玄関先で突っ立てた弟の賢太にそう言われ、「違うよ」と一言返事する。
「あっ、そうだ。賢太」
そう言えば賢太も理系男子だったと思い出し、大学の女子ってどんな感じかと尋ねた。
「今日、島さんの大学時代のゼミ仲間が集まったんだけどね、女性陣が全員、眩いくらいに綺麗にしてて」
「あー、最近は『リケジョ』ってだけで注目度も高いからな。うちの大学の女子達もそこらの女子大生よりかは綺麗めにしてるし。
そんな中に居たら、姉ちゃんは劣って見えただろうな。相手は薬品なんかにも詳しいから、化粧品とかも吟味して使ってそうだしさ」
「どうせ安いものしか使ってませんよ!仕方ないでしょ。最近までしがないパート社員だったんだから!」
やっと正社員の口に就いて働き出したんだ。
きちんと勤めて頼られるくらいの社員に早くなりたい。
「精々島さんにフラれないようにしろよ」
バカにしたように笑い、階段を上がって行く賢太。
その背中に「フン!」と鼻息を掛け、「言われずとも」と言い返したものの……。
(自信なんてないなぁ)
「……あれ?姉ちゃんデートだったんじゃないのか?」
玄関先で突っ立てた弟の賢太にそう言われ、「違うよ」と一言返事する。
「あっ、そうだ。賢太」
そう言えば賢太も理系男子だったと思い出し、大学の女子ってどんな感じかと尋ねた。
「今日、島さんの大学時代のゼミ仲間が集まったんだけどね、女性陣が全員、眩いくらいに綺麗にしてて」
「あー、最近は『リケジョ』ってだけで注目度も高いからな。うちの大学の女子達もそこらの女子大生よりかは綺麗めにしてるし。
そんな中に居たら、姉ちゃんは劣って見えただろうな。相手は薬品なんかにも詳しいから、化粧品とかも吟味して使ってそうだしさ」
「どうせ安いものしか使ってませんよ!仕方ないでしょ。最近までしがないパート社員だったんだから!」
やっと正社員の口に就いて働き出したんだ。
きちんと勤めて頼られるくらいの社員に早くなりたい。
「精々島さんにフラれないようにしろよ」
バカにしたように笑い、階段を上がって行く賢太。
その背中に「フン!」と鼻息を掛け、「言われずとも」と言い返したものの……。
(自信なんてないなぁ)