島…君をレンタルしたいカナ
キラキラしてるように見えた女子達に比べたら、私はまるで宝石の中に転がる石ころのように感じた。

ツルツルとして磨き抜かれた石の中に混じる、ザラザラで冴えない石ころ。



あんな人達と付き合ってたのか…と、またしても島さんの新たな一面を知ってしまった。

あれだけ沢山の素敵な女子が周りにいるのに、私みたいなのを彼女にしてくれるなんて奇特な人だ。


きっと素朴な方が誰にも取られたりしないって思った?

だから、私を選んだ?



「それはそれで落ち込むな」


独り言を呟いて部屋に入れば、真冬よりも少しは温かい。

そう言えば、仕事に就けたらまたペットレンタルしようと思ってたんだ。
今度はシマリスよりも初心者向けの動物を勧めてもらおうと考えてた。


でも……


「なんか、そんなのどうでもいい気がしてきた」


ペットなんかよりも島さんをレンタルしたい。
ケージにでも押し込んで、女子が触れられないようにしてしまいたい。


「だけど、それじゃヘンタイだよ〜〜!」


グシャグシャと頭を掻いた。
妙に落ち込んで、そのまま夜を越した。

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