島…君をレンタルしたいカナ
自分のことのように自慢してる。
事務職だけど、印刷の仕事も好きみたいだ。
「これ、何処の本屋に持って行くんですか?」
「ああ、そうだった。ごめんごめん」
笑いながらデスクのビニールシートの下から店名と住所の書かれた紙を抜いた。
「此処に」と差し出してくる紙を受け取り、思わず目が点になった。
「ココ……」
見たことのある書店の支店名が記されてある。
咄嗟に行きたくない!と思ったけど、引き受けておいて行かないとは今更言えない。
「大崎さんの勤めてた本屋の支店だろう。場所も知ってると思うから宜しく頼むよ」
「……はい…」
ぐっと唇を噛んで堪えた。
数ヶ月前の顔を思い浮かべ、紙を持ったままぎゅっと手に力がこもる。
大丈夫だ。
行ったからといって、必ずしも顔を合わせるとは限らない。
書店の開店時間は長いんだから、勤務中ではないことだってある。
もしも万が一出会ったとしても、無視しておくか平然としておけばいい。
もう関係もない人なんだから、私は堂々としてればいいんだ。
(うん…)
そうだ…と心に強く思って写真集を袋に入れた。
書店名の書かれた紙は上に貼り付け、十時がくるのを待ちながら仕事を続けた。
壁時計が十時のメロディを流し、私はノロリ…と椅子から立ち上がった。
事務職だけど、印刷の仕事も好きみたいだ。
「これ、何処の本屋に持って行くんですか?」
「ああ、そうだった。ごめんごめん」
笑いながらデスクのビニールシートの下から店名と住所の書かれた紙を抜いた。
「此処に」と差し出してくる紙を受け取り、思わず目が点になった。
「ココ……」
見たことのある書店の支店名が記されてある。
咄嗟に行きたくない!と思ったけど、引き受けておいて行かないとは今更言えない。
「大崎さんの勤めてた本屋の支店だろう。場所も知ってると思うから宜しく頼むよ」
「……はい…」
ぐっと唇を噛んで堪えた。
数ヶ月前の顔を思い浮かべ、紙を持ったままぎゅっと手に力がこもる。
大丈夫だ。
行ったからといって、必ずしも顔を合わせるとは限らない。
書店の開店時間は長いんだから、勤務中ではないことだってある。
もしも万が一出会ったとしても、無視しておくか平然としておけばいい。
もう関係もない人なんだから、私は堂々としてればいいんだ。
(うん…)
そうだ…と心に強く思って写真集を袋に入れた。
書店名の書かれた紙は上に貼り付け、十時がくるのを待ちながら仕事を続けた。
壁時計が十時のメロディを流し、私はノロリ…と椅子から立ち上がった。