島…君をレンタルしたいカナ
女子店員の声が聞こえるけど、その人が何処に居るかも見えないくらいに人がいる。


これは意外にも驚いた。
もしかしたら、私と同じように店長さん狙いの人もいたりして。


(あ…でも、私が狙ってるのは彼の声?)


そう思ったら自分が何だか変な人間にも思えてくる。
考えるのは止めようと決め、昨日と同じように鳥カゴを見て回った。



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セキセインコ、オカメインコ、ボタンインコ……インコとひと口に言ってもこんなに種類が豊富だとは思わなかった。
ラブバードと書かれたインコのゲージの前に立ち、真っ赤な顔をした緑色の羽根に見入ってしまう。
尻尾の辺りがキレイな水色。
こんなキレイなインコもいるんだ。


「人に慣れやすい…か。飼ってみたいなぁ」


肩に止まったり頭に乗せたりして遊べると楽しいかも…なんて思いながら、騒つく店内を見回す。
そう言えば、あの白いオウムの姿を見ない。
どうしたんだろう…と少し気になってる時だ。


「リスがいるよー」


小さな男の声でハッとした。足元を見下ろすと、男の子のツムジが見える。
お母さんと思われる女性が側に近寄り、一緒にシマリスのカゴを覗いてる。


「ホッペが膨らんでる!」

「ヒマワリの種を頬張ってるのよ」


仲のいい親子の会話を聞きながら、いいなぁ…と微笑ましくなる。


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