島…君をレンタルしたいカナ
(まるでスターか何かと話すような感じだなぁ)


スターならまだ遠いか…と思い、もう一度鳥カゴのある方に寄って行った。
キレイな羽根や可愛い鳴き声は確かに魅力的だけど。


(なんかちょっと煩いかもな…)


アニメのように頭や肩に乗せてみたい気持ちも無いとは言いづらいけど。


(う〜〜ん、弱った…)


流石にどうすればいいのか迷う。
私の目的は島店長さんで、ペットはどうでもいいのに。


立ち止まったままボンヤリと視線を足元に落とした。
ハムスターのカゴの中では、薄茶色の毛をした子が丸々とした体を更に丸くして寝てる。


可愛いけどそれを飼いたいとは思えない。
飼ったこともないものを、もしも死なせてしまったら…と思うと怖い。


やっぱり彼に謝って、今日は止めます…と言って帰ろう。
家族にもきちんと了承を得て、それからにした方がいいに決まってる。


(うん、そうしよう)


やっと気持ちを固めて振り返ると、お客さんとの対応を終えた人が私の側に来ようとしていてーー


「どう?決まった?」


ヤダ〜、このタイミングでその声かけってないよ〜。


パクパクと口を開けたままで声も返せずにいると、彼の目が細くなって、軽く首も傾げられて……。


「何?」


ダメ。やっぱりレンタルしたいっ!


「し…」


島店長、貴方をレンタルしたいんです!


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