島…君をレンタルしたいカナ
(そんなぁ〜謝る必要なんてないから〜〜!)


もっと呼んで!
もう一度だけ「カナ」って呼んで!


「住所も電話番号も書いて貰っていい?」


ホワワン…と意識を飛ばしてる私の手元に目を向けた彼が、ココとココにも…と言いながら指で突く。



「は…はい!ごめんなさい!」


飛んでた意識を戻して下を向く。
店長さんの人差し指を見つめ、(長〜い!)と音にならない叫び声を上げた。


その後、肝心のシマリスを選ぶことになった。
初めて買うならオスよりもメスの方がいいと勧められて、二匹のうちのどっちにする?と目の前にカゴを置かれた。


「う〜〜ん…」


一匹は少し太めで毛の色も濃いめ。もう一匹はそれよりも少し小さくて、チョロチョロと活発に動いてる。


「この小さい子の方がいいかも。見てて飽きない気がする」


遊び相手にもなってくれそうだな…と思って指差すと、店長さんは「じゃあこっちね」とケージからリスを取り出した。

手の中でもモゾモゾと動くリスを上手に扱いながら、何も入ってない空のケージに移した。


「これにエサ皿と水差しとトイレケースと巣箱を入れるんだけどいい?それら全部もレンタルする形になるよ」


切れ長の眼差しが振り向き、「も、勿論!」と声を出した。
店長さんはニコッと微笑み、それらをケージの中にセッテイングしていく。
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