島…君をレンタルしたいカナ
「えーと、シュレッダーは……」


面倒くさいことが増えたなぁ…と思いつつ、読みかけの雑誌を切ってはシュレッダーに掛けていく。
四分間毎にモーターが切れるものだから、休んでは掛けての繰り返し。


一時間以上もの時間をかけてようやく床材を敷き詰めた。
その頃にはリスも巣箱から顔を覗かせ、小さくて可愛い鼻をヒクヒクさせながらニオイを嗅いでる。


「やっぱり可愛い♡」


ゲンキンなもんだ。
さっきまで面倒くさいとか思ってたのに。


「だけど、名前も付けたらいけないんだよね」


名前を付けると情がうつるからダメだって言われた。
だったらこの子はなんて呼べばいいんだ?


「シマリスのメスだから『リスちゃん』?…まんまじゃん」


やっぱり何処かつまんない。
だけど、これで彼との接点は出来たんだし。


「そうだ、巣箱の様子を写メってメールで送ろう!」


私って頭いい!
こういう時だけ回転が速い。


リスが巣箱から顔を出した瞬間をパチリ。
それを添付してこう送った。


「巣箱の設置完了です。これでいいですか?」


返事がいつ戻るか知らないけど、とにかく満足して微笑む。
乾燥したペレットを餌皿の中に入れてやると、ごそっと出てきて口の中に溜め込みだした。


「きゃー!可愛いー!」


思わずもう一枚写メる。

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