島…君をレンタルしたいカナ
これから始まるシマリスとの生活が、私の心に潤いを持たせてくれるといいけど。



「花奈ー、御飯よー」


階段下から母の声。
今だに母の手料理を食べてる時点で、私もこのリスと同じなのかも。


「はーい、今行くー」


同類同士ヨロシクね…と声をかけると、くりっとした黒い目のシマリスは、頬を膨らませたまま巣箱の中へと潜って行った。




午後九時過ぎ、お風呂から上がるとスマホのライトが点滅してる。

もしかして…と慌てて駆け寄り、電源を入れてロックを解除すれば、メールアプリに①と表示されてる。


(キャー!もしかして店長さん!?)


いきなりテンション上がった。
ウキウキしながら開いて見れば、やっぱり彼からのメール。


『画像ありがとう。いい感じに出来たね。(^^)d』


いやーん、顔文字付き!
ますますテンション上がるっ!


『置場所は何処にした?出きるだけ壁沿いがいいよ』


アドバイス付きだ。ありがたい。


『不安なことがあったらまたメールして。待ってるから』


「はいっ!」


メールの文字に向かって返事。
聞こえもしないのにバカみたい。

だけど、『待ってる』の文字に声が被って聞こえたような気がして、居ても立ってもいられず……


『はいっ。分かりました!』


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