島…君をレンタルしたいカナ
こんな格好してると自分がリスになったみたい。
「大崎花奈」じゃなくて「大きいリス」って感じだ。


そんな私のことをリスが巣箱から覗いてる。
昨夜寝る前に少し検索してみたけど、結構朝早くから動き回るんだと載っていた。


「ほ〜ら、ご飯だよ〜」


餌皿の中にカラカラとペレットを入れてやった。
他にも果物や野菜を一緒にあげてもいいと書いてあった。


「待ってて。リンゴか何か持ってくるから」


ついでに水も入れ替えないと。朝から何かと忙しい。


ウキウキと階段を下りると、御飯を作ってた母が「まぁ珍しい!」と声を上げた。

普段なら朝御飯も食べずに仕事へ行くものだから、「青天の霹靂!?」とばかりに驚いてる。


「お母さんリンゴない?人参もあれば欲しいんだけど」


「どうするの?ジュースでも作るの?」


「ううん。リスにあげる」


冷蔵庫のドアを開けて、目に付いたリンゴと人参を取り出す。


「リスって何食べるの?大根の葉っぱなんかも食べる?」


味噌汁用に切ってたみたい。それも少し貰って、「食べると思うよ」と返事。


「ねぇ、お母さんも後で見に行ってもいい?リスが頬っぺたに食べ物詰めてる顔も見たいし」


「いいよ。…あ、でも、やたらといろんなエサあげたりしないでね」


「分かってる。見るだけよ」


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