島…君をレンタルしたいカナ
何度呼び掛けてもダメだ。
もうヤダ。
どうしたらいいの!?


「お願い…、早く連絡してきて…」


もしも、彼が何も言ってこなかったらどうする?
チョロを連れて動物病院にでも駆け込む?

シマリスって何処の病院でも診てくれるの?
野生動物みたいなもんなんだから、動物病院よりも動物園に問い合わせた方が早くない?

それよりも早い方法って何だろう。

……検索!?
検索したら何か分かるかも!


「そうだよ。何でもっと早く気付かなかったの!」


シマリスと文字を打って虫メガネマークをタップしようとした。
その瞬間、スマホが手の中で揺れて、Eメールの文字が見えた。


「島さんっ!」


ああ、ホントに地獄に仏だ。

急いでメールアプリをタップして開いた。


『返信遅れてゴメン。もしかしたら急な寒さで風邪を引いたか低体温症でも起こしてるのかもしれない。
今から店の方に連れて来れる?丁度今、店にいるから連れて来て』


「はいっ!!」


ギュッとスマホを握って返事した。
文字を送らないでどうすると自分にツッコミを入れて、慌てて文字を打ち間違っては消しながら文を送った。


『直ぐに行きます。タクシーに乗って行くので早かったら十五分後くらいで着く予定です』


早ければ…だ。
だけど、ここでも私は塩っぱい現実を知ることになる。



< 68 / 157 >

この作品をシェア

pagetop