島…君をレンタルしたいカナ
後頭部の黄色い毛をピンと逆立てた白色のオウムは、グレーのクチバシを開いては、「ギギギ」「グググ」と下手くそな鳴き声を漏らす。

口の中が如何にかあるみたいに足を振り上げ、体を捻るようにしながら爪で顔を引っ掻く動作を繰り返してた。


ヒクッ…と涙を吸い込んでオウムの側に寄れば、耳障りな鳴き声は鼓膜の奥にまで響いてくる。

普段なら絶対に近寄りもしない音だけど、今は何だか同類みたいな気がしてしまった。




「あんたもどうかあるの……？」


声を掛けながら、自分が言ってることは通じないと思う。だけど、何だか何にでもいいから頼りたいくらいに辛い。


「私……振られちゃったの。彼とは二年も付き合ってたのに……」


サヨナラと言ったのは自分だったけど、その前に別れて欲しいと宣言された。
自分ではどんなに彼をフッたんだと思っても、やっぱり私が振られたんだ。


「あんなに好きになってくれた人初めてだったのに……世の中って上手くいかないよね……」


胸の奥がギシギシと音を立ててるみたいに苦しい。
丁度この鳴き声と似ていて、だからこそ同類のような気がした。


「あんたがどうかあるなら一緒に泣いてもいい？こんな場所で泣いてたら、きっと変な人にしか見えないと思うけど……」


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