島…君をレンタルしたいカナ
リアルな彼は
早かったら十五分後くらいには着く予定ですと打ったが、実際に『PET HOUSE スマイル』に着いたのは、メールを送ってから小一時間くらい後だった。
雪で道路が混雑していて、思ったよりも進まなかった。
個人タクシーのおじさんは抜け道を色々と知っていたが、その道もなかなか抜けきれず、思ってた以上に長く時間がかかった。
「ごめんね。もっと急いであげられたら良かったんだけど」
遅くなったから超過料金は要らないと言われた。
何処までも優しい運転手のおじさんに深くお礼を言ってタクシーを降りた。
『PET HOUSE スマイル』のドアに手を掛けると鍵は閉まっておらず、ぐっと手前に引いて隙間を開ければ、店内からは暖かい空気が漏れ出してくる。
どうやら暖房がガンガンに点けてあるらしく、動物のにおいが籠った中へ私は足を踏み入れた。
「店長さんっ!」
声を上げながらカウンターの方へ向かうと、奥から黒いエプロンを身に付けた彼が現れる。
顔を見た瞬間気が緩み、わっと泣き出した私の側に彼がやって来た。
「すみません、私…どうしたらいいか分からなくて……」
ボロボロと溢れてくる涙も拭わず話すと、彼は私の手から籐カゴを取り上げた。
「とにかく診てみるよ。 ちょっとこっちにおいで」
カウンターの奥にある部屋へ行き、マフラーで巻いたチョロの体をカゴから取り出し黒い革張りの台の上に乗せた。
雪で道路が混雑していて、思ったよりも進まなかった。
個人タクシーのおじさんは抜け道を色々と知っていたが、その道もなかなか抜けきれず、思ってた以上に長く時間がかかった。
「ごめんね。もっと急いであげられたら良かったんだけど」
遅くなったから超過料金は要らないと言われた。
何処までも優しい運転手のおじさんに深くお礼を言ってタクシーを降りた。
『PET HOUSE スマイル』のドアに手を掛けると鍵は閉まっておらず、ぐっと手前に引いて隙間を開ければ、店内からは暖かい空気が漏れ出してくる。
どうやら暖房がガンガンに点けてあるらしく、動物のにおいが籠った中へ私は足を踏み入れた。
「店長さんっ!」
声を上げながらカウンターの方へ向かうと、奥から黒いエプロンを身に付けた彼が現れる。
顔を見た瞬間気が緩み、わっと泣き出した私の側に彼がやって来た。
「すみません、私…どうしたらいいか分からなくて……」
ボロボロと溢れてくる涙も拭わず話すと、彼は私の手から籐カゴを取り上げた。
「とにかく診てみるよ。 ちょっとこっちにおいで」
カウンターの奥にある部屋へ行き、マフラーで巻いたチョロの体をカゴから取り出し黒い革張りの台の上に乗せた。