島…君をレンタルしたいカナ
この人…と言われ、軽くショボくれる。
妹さんは名前を呼び捨てなのに、自分は「この人」なんだ。
(あーあ、格差感じるなぁ〜)
呼ばれても精々さっきみたいに苗字にさんが付けられるだけ。マコト君の時のように名前を呼び捨てられることはない。
「ラッキー!今日彼とデートだったんだ〜。早目に会えるよって連絡しとこう!」
妹のカンナさんは嬉しそうにそう言って店内を片付け始める。島店長さんは私に少し待ってて…と言い渡し、自分もドアの鍵を閉めに行った。
私は取り残された部屋の中で動き回るチョロを見た。
背中の縞模様を見つめながら息をしてないのかと思うくらい動かなかった姿を思い出してた。
……あの時、父のことが頭を過ぎった。
いつ亡くなってもおかしくないという状況の中、自分の目の前で大きく息を吐いた父。
膨らんだ風船が萎んでいくように細く長い息を吐き出して、そのままシ…ンとしてしまったーーー。
「お父さん?」
声をかけたけど、返事は戻らない。
声はもう随分前から返らず、それは当たり前のことだったんだけど。
何かが違うと思ってナースコールのボタンを押した。
駆けつけて来た看護師が主治医を呼んで、たった一人、私が見てる目の前で死亡時刻を宣告したんだ。
母と賢太は病院内のコンビニに行ってた。
戻ってから父の死を聞き、母は父の体に寄り添うようにして泣き崩れた。
妹さんは名前を呼び捨てなのに、自分は「この人」なんだ。
(あーあ、格差感じるなぁ〜)
呼ばれても精々さっきみたいに苗字にさんが付けられるだけ。マコト君の時のように名前を呼び捨てられることはない。
「ラッキー!今日彼とデートだったんだ〜。早目に会えるよって連絡しとこう!」
妹のカンナさんは嬉しそうにそう言って店内を片付け始める。島店長さんは私に少し待ってて…と言い渡し、自分もドアの鍵を閉めに行った。
私は取り残された部屋の中で動き回るチョロを見た。
背中の縞模様を見つめながら息をしてないのかと思うくらい動かなかった姿を思い出してた。
……あの時、父のことが頭を過ぎった。
いつ亡くなってもおかしくないという状況の中、自分の目の前で大きく息を吐いた父。
膨らんだ風船が萎んでいくように細く長い息を吐き出して、そのままシ…ンとしてしまったーーー。
「お父さん?」
声をかけたけど、返事は戻らない。
声はもう随分前から返らず、それは当たり前のことだったんだけど。
何かが違うと思ってナースコールのボタンを押した。
駆けつけて来た看護師が主治医を呼んで、たった一人、私が見てる目の前で死亡時刻を宣告したんだ。
母と賢太は病院内のコンビニに行ってた。
戻ってから父の死を聞き、母は父の体に寄り添うようにして泣き崩れた。