行雲流水 花に嵐
後書き~という名のウラバナシ~
 これが『諸々~』の前に書いてた剣客もの。
 書き終えてつくづく思うのが、色恋絡みがないという。

 いや全くないわけではない……と思うんですよ。
 それぞれ想っている人はいるわけで。
 サイトの王道ガン無視。

 しかし思ったより斬り合いが少なかったなぁ。

 今回はちょっと地理が難しかった。
 水路が発達してるのは、やっぱり江戸なんで。
 でも江戸の町なんて詳しくないし。

 これ、単に古地図で調べただけでは駄目なんですよ。
 地図ではいまいちリアルな距離感が掴めない。
 左近はね。

 実際に歩いてみないと駄目なんです。
 でも江戸は無理だし。

 その点京都は古地図を元に、今でも町を歩けるほど昔の面影を残してるんです。
 話を書く上での、左近の調べ物の中には、実際に土地を歩いた距離感ってものも入ってます。
 江戸の水路を網羅したら、また面白い時代物が書けるだろうけどな~。

 で、いつもながら土地は京都になったのですが、京都の水路といえば伏見の船宿。
 その先がわからんのですよ。
 京都の町のほうまで舟は入っていたのか、とか。

 いまいちわからんかったのだけど、多分可能であろう川を採用。
 白川の辺りにも入船があったはずだから、水路的には多分間違いはないかと。
 あ、でも伏見船宿の辺りの川は、宇治川じゃなくて高瀬川かもです……わからんけど。
 ま、宇治まで行って死体を捨てたってことで( ̄▽ ̄)

 しかしやっぱり色町絡みになるなぁ。
 事件を起こしやすいんだな。
 何か、自由に動ける感じがするんですよ。

 今回の主人公、苗字がお気に入りです。
 『月』ってつくのはいいね。
 上月ってもっと出したかった。
 武家なので、珍しく苗字もちゃんとあります。

 でも外見の描写はこれといってなし。
 美男は脇の片桐にシフト。
 主人公だからって、いつもいつも美男とは限らないですよ。

 あまり良い描写は使ってないかと。
 たまにこういう表現しますね、主人公に関しては。
 妖幻堂もそうだったし。
 イメージは読む人に一任しています。

 こういう、何かテーマがあって書いたわけでもないものは、題名にとにかく悩む。
 特に今回、書き終えた今でもこれというタイトル浮かびませんよ。
 ここまで思いつかなかったのも初めてかも。

 最終的に宗十郎の生き方というか、雰囲気というか、そういうものから捻り出しました。
 なかなか無理やり感ありありですが。

 あ、ここでは宗十郎は『長屋』に住んでますが、京都は多分『町屋』なんですよね。
 ただ町屋の資料が少ない!
 何がどうなって、どういう風に建っているのかわからなかったので、江戸の長屋を持ってきてます。

 こういう資料一つとっても、江戸のほうが多いんですよね~。
 暮らしぶりとかもね。
 まぁわからん分好きに書けるというのもあるけど。

 今回、色町内の、遊郭には『見世』を使い、それ以外の遊郭でない飯屋などは『店』と表記しております。

 さて片桐はおたまと仲良くやるでしょうが、宗十郎はどうでしょう?
 おすずの健気さに宗十郎が落ちるのか、はたまたおすずが宗十郎に愛想を尽かすのか。
 その辺りのことも、ご想像にお任せして。

 長々お付き合い、ありがとうございましたm(__)m
 また次の話でお会いできることを祈って。


 2017/04/22 藤堂 左近
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